市場業務では、ベテラン社員が現場を支えているケースが多くあります。長年の経験、取引先との関係、例外判断、トラブル対応は、簡単にマニュアル化できるものではありません。
だからこそ、退職が決まってから慌てるのではなく、早めに経験を残す準備が必要です。
まず聞くべきことを決める
「全部教えてください」では、聞く側も答える側も大変です。まずは業務を場面ごとに分けます。
朝の処理、伝票確認、締め作業、取引先対応、トラブル対応、月末処理など、具体的な場面に分けると聞き取りやすくなります。
例外判断を集める
ベテラン社員の価値は、通常業務よりも例外判断に表れます。取引先ごとの特別対応、過去に起きたミス、注意すべき品目、確認すべき相手を聞き出します。
例外判断は、理由と一緒に残すことが大切です。理由が分かると、次の担当者が応用しやすくなります。
実際の作業を横で見る
口頭説明だけでは、細かい判断や手順が抜けます。できれば実際の作業を横で見て、画面、帳票、電話確認のタイミングを記録します。
動画や画面録画を使える場合は、あとから見返せる資料になります。
チェックリストに変える
聞き取った内容は、長い文章よりもチェックリストに変えると使われやすくなります。締め前に見るリスト、請求書発行前に見るリスト、取引先対応時に見るリストなど、場面ごとに分けます。
後任者が一人で試す時間を作る
引き継ぎは、説明を受けただけでは完了しません。後任者が一人で作業し、ベテラン社員が横で確認する時間を作ります。
この段階でつまずいた箇所こそ、資料に追記すべき重要ポイントです。
退職前ではなく、今から始める
経験の引き継ぎは時間がかかります。退職予定がなくても、重要業務から少しずつ見える化しておくと、急な不在にも強くなります。
人手不足の時代には、業務を「できる人」から「引き継げる仕組み」へ変えることが必要です。